多量の発汗は血液がドロドロになる

私たちは日常生活の習慣として、「さて、一服するか」というように、休息を兼ねたお茶の時間を一日に何回か作ります。

これはホッと一息いれる、いわばリラックスするためのこととされていますが、昔から水分補給の重要性が理解されていたと考えられます。

定期的な水分補給が習慣になっていると、のどの渇きを感じなくても、自然と体から失われた水分を補給していることになるからです。

ところが、暑いとき、または運動をしたときは、多少に関わらず汗をかきますが、こうなると、ちょっと一服の水分補給だけでは追いつかなくなります。

だれしも汗をかけば、のどの渇きを覚え、水を飲まずにはいられなくなります。
そして、ある程度の水を飲めば、「のどか渇いた」という欲求は満たされます。

ところが、それだけでは発汗によって失われた水を補ったことにはなりません。
ほとんどの場合、自分が自覚している以上に、たくさんの水分が失われているのです。

そのため、炎天下、高温多湿環境下で、激しい運動をしたときなど、知らず知らずのうちに、脱水状態に陥ってしまうことが非常に多くあります。

汗として出る水分は、組織間液(細胞と細胞の間にある体液)、細胞内液、そして最終的には、血液中の水分によってまかなわれます。

発汗が続き、それに見合う量の水分摂取がないと、結果的に血液中の水分が減少し、血液の濃度が上がります。
いわば血液がドロドロの状態になるわけで、流れが非常に悪くなります。

血液はご存じのとおり、酸素や栄養を体のすみずみまで運び、老廃物を体外に排せつする上で非常にたいせつな働きをしています。
血液濃度が高くなれば、このような循環機能が低下するわけですから、当然、体調が悪くなってきます。

暑くなると体がだるくなる夏バテや、運動をしても疲労感だけが残るというのは、知らず知らずのうちに血液が脱水状態になっていると考えられます。

夏バテや疲労は水分の取りすぎが原因、運動中は水を飲んではいけないと、お考えのかたもいらっしゃるでしょう。
これはおそらく、苦しさを我慢することこそ美徳とする教育をされてきたことが背景にあるのだと思います。

しかし、断言しますが、これは大きな間違いです。
間違いどころか危険です。
炎天下のマラソン大会などで熱中症により命を落とした例は枚挙にいとまがありません。

たとえ水を飲み過ぎても、不要な分は尿として排せつされます。
むしろ、飲みすぎのほうが、体の中の水分を満杯の状態に保ちますから、血液の循環が正常に機能するのです。

したがって、ある程度強制的に、水を多めに飲んだほうが、夏バテや疲労を防ぐことになります。

このようにあらかじめ体内に水を詰め込んでおく体調調節法を「ウォーター・ローディング」といいます。